Q&A

ベレキシブル

ご利用にあたっての注意

医療機関の先生方からよく寄せられる弊社製品に関する質問とその標準の回答をご紹介しています。
これらの内容は、製品の適正使用にあたっての参考情報です。
医薬品の使用は、個々の患者さんの状況に応じて、専門的知識を有する医療従事者にご判断いただくことを想定しております。
詳細内容のご確認は、弊社の医薬情報担当者(MR)またはくすり相談室までお問い合わせください。
なお、製品のご使用にあたっては、最新の電子添文をご確認ください。

効能・効果

ベレキシブル錠の効能・効果は「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」、「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」です。

<効能・効果に関連する使用上の注意>

〈再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫〉

添付文書「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版

 

用法・用量

用法・用量は以下の通りです。

<用法・用量>

通常、成人にはチラブルチニブとして1日1回 480mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

  1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
  2. 食後に本剤を投与した場合、Cmax 及び AUC が上昇するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の 1 時間前から食後 2時間までの間の服用は避けること。(食事の影響の項参照)
  3. 本剤の投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。

本剤の減量段階

段階 用量
通常投与量 480mg
1段階減量 320mg
2段階減量 160mg

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版

 

添付文書<用法・用量に関連する使用上の注意>をご確認頂き、本剤を休薬、減量又は中止をご検討下さい。

<副作用発現時の休薬、減量、中止の目安>

副作用 処置
Grade4の好中球減少症 Grade3以下に回復するまで休薬する。
回復後は、休薬前の用量で再開することができる。再開した後に再び発現した場合、回復するまで休薬し、回復後1段階減量して投与を再開することができる。
出血を伴うGrade3の血小板減少症 Grade2以下に回復するまで休薬する。
回復後は、休薬前の用量で再開することができる。再開した後に再び発現した場合、回復するまで休薬し、回復後1段階減量して投与を再開することができる。
Grade4の血小板減少症
Grade3以上の血液毒性(血小板減少症及び好中球減少症を除く)
Grade3以上の非血液毒性(間質性肺疾患及び皮膚障害を除く)
間質性肺疾患 Grade2又は3 Grade1以下に回復するまで休薬する。
回復後は、休薬前の用量で再開することができる。再開した後に再び発現した場合、回復するまで休薬し、回復後1段階減量して投与を再開することができる。
Grade4 中止する。
皮膚障害 Grade2 抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン等を投与し、回復した場合には、投与を継続する。
回復しない場合には、1段階減量して投与継続又は休薬する。
Grade3以上 抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン等を投与するとともに、Grade2以下に回復するまで休薬する。
回復後1段階減量して投与を再開することができる。

*:GradeはNCI-CTCAE v4.0に準じる。

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版

 

本剤に割線は入っておらず、均等に割れない可能性があるため、弊社としてはおすすめしておりません。また、半錠にした製品での臨床試験、薬物動態及び安定性等のデータはありません。

 

副作用・安全性

再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫患者(B 細胞性腫瘍以外の患者を除く)を対象として、第Ⅱ相パート480mg 空腹時投与群では、17 例に本剤 480mg を 1 日 1 回空腹時に投与しました。

安全性評価対象となった17 例中 13 例(76.5%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められました。主な副作用は、発疹 6 例(35.3%)、好中球減少 4 例(23.5%)でした 。(国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(ONO-4059-02 試験))

原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫患者を対象として、27 例(未治療患者18 例、再発又は難治性患者9 例)に本剤480mg を1 日1 回空腹時に投与しました。安全性評価対象となった27 例中25 例(92.6%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、発疹10 例(37.0%)、好中球減少6 例(22.2%)でした。国内第Ⅱ相試験(ONO-4059-05 試験))

重大な副作用は以下のとおりです。

  • 出血(頻度不明)

  • 感染症

    肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む)(4.5%)、アスペルギルス感染症(2.3%)等の感染症があらわれることがある。また、B 型肝炎ウイルス、帯状疱疹等が再活性化することがあります。

  • 重度の皮膚障害

    多形紅斑(2.3%)、中毒性皮疹(頻度不明)等の重度の皮膚障害があらわれることがあります。

  • 骨髄抑制

    発熱性好中球減少症(頻度不明)、好中球減少(22.7%)、白血球減少(15.9%)、リンパ球減少(9.1%)、血小板減少(9.1%)、貧血(2.3%)等の骨髄抑制があらわれることがあります。

  • 過敏症

    アナフィラキシー等の過敏症(頻度不明)があらわれることがあります。

  • 間質性肺疾患

    間質性肺炎(頻度不明)、肺臓炎(頻度不明)等の間質性肺疾患があらわれることがあります。異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行ってください。

  • 肝機能障害

    AST(2.3%)、ALT(2.3%)、γ- GTP(頻度不明)、Al-P(2.3%)、ビリルビン(2.3%)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあります。

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版

 

薬物動態・薬効薬理

他の抗がん剤との併用に関しては、安全性・有効性は確立しておらず、推奨できません。

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版

 

ONO-4059-02試験において、本剤480mgを1日1回空腹時反復経口投与したときの初回投与から初回投与後24時間までのT1/2は5.21hrでした。

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版

 

◆代謝経路

主な代謝部位は肝臓です。

外国人健康成人8例を対象としたマスバランス試験[海外第Ⅰ相試験(GS-US-401-1768試験)]において、14C-チラブルチニブを含むチラブルチニブ75mgを単回経口投与したときの血漿、尿及び糞中の代謝物を評価した結果、投与24 時間後までの血漿中には主にM33(水酸化体の硫酸抱合体)、M12(水酸化体のグルクロン酸抱合体)及び未変化体が検出され(血漿中総放射能に対する割合はそれぞれ33.1、28.6 及び17.3%)ました。

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版

 

◆排泄経路

尿中、糞中に排泄されます。

健康成人 8例に14C-チラブルチニブ75mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与360時間後までに投与放射能量の52.2%が糞中に、42.1%が尿中に排泄されました。投与96時間後までの尿中に未変化体は確認されませんでした。

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版

 

取扱い上の注意

PTPシートでの安定性は30℃/75%RHで性状、純度試験、溶出性、定量法を評価しており、6カ月まですべての規格に適合する結果でした。

ただし、性状は規格内であるものの、3カ月後から吸湿の影響による表面のわずかな凹凸を認めています。

本剤は吸湿性があることから、アルミピロー開封後は湿気を避けて保存してください。

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版、承認時評価資料(添付文書に関する情報)

 

本剤は吸湿性があることから、一包化はおすすめしておりません。アルミピロー開封後は湿気を避けて保存してください。

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版、承認時評価資料(添付文書に関する情報)

 

その他

再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫患者(B 細胞性腫瘍以外の患者を除く)を対象として、第Ⅱ相パート480mg 空腹時投与群では、17 例に本剤 480mg を 1 日 1 回空腹時に投与しました。

奏効率は 52.9%[95% 信頼区間:27.8~77.0%](完全奏効 1例、不完全奏効 5 例、部分奏効 3 例(International PCNSL Collaborative Group (IPCG)基準による中央判定))でした。(国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(ONO-4059-02 試験)

原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫患者を対象として、27 例(未治療患者18 例、再発又は難治性患者9 例)に本剤480mg を1 日1 回空腹時に投与しました。

未治療患者18 例において、奏効率は88.9%[95% 信頼区間:65.3~98.6%](最良部分奏効3例、部分奏効13例(InternationalWorkshop on Waldenström’ s Macroglobulinemia(IWWM)基準による中央判定))であり、再発又は難治性患者9 例において、奏効率は8/9例[95% 信頼区間:51.8~99.7%](部分奏効8 例(IWWM 基準による中央判定))でした。(国内第Ⅱ相試験(ONO-4059-05 試験)

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版

 

◆剤形、大きさ、色調

剤 形 フィルムコーティング錠
大きさ(mm) 長径(mm) 約12.3 、短径(mm) 約5.3、厚さ(mm) 約3.9
色調 黄色

◆識別コード

表示部位:錠剤の表面・裏面及びPTPシート/表示内容:ono401

◆含量、添加物

  • 有効成分:1錠中チラブルチニブとして80mg
  • 添加剤:結晶セルロース、乳糖水和物、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、マクロゴール4000、タルク、黄色三二酸化鉄

参考:ベレキシブル電子添文 2024年1月 第6版

 

詳細内容のご確認は弊社医薬情報担当者
(MR)またはくすり相談室まで
お問い合わせください。

小野薬品工業株式会社 くすり相談室
電話番号 0120-626-190
FAX:
06-6263-5806

受付時間は9:00~17:00となっております(土日・祝日・会社休日を除く)。当社くすり相談室へのお問い合わせにつきましては、内容を正確に把握し、適切に回答等をさせていただくため、お電話を録音させていただいております。あらかじめご了承ください。電話番号はお間違いのないようお願いいたします。