高血圧・心障害編

カイプロリスは、再発・難治性多発性骨髄腫を対象とした第Ⅲ相試験において、対照群と比較して、無増悪生存期間の延長が示されました。その一方で、Cardiovascular-related Adverse Events（CVAE）と呼ばれる心血管関連の副作用が報告されています。

これらのCVAEの発現は、致死的イベントとなる可能性とともに、治療の中断や中止などにより原疾患の増悪にもつながりかねません。

カイプロリスによる治療を継続し、病勢をコントロールするためにも、我々医療従事者はCVAEを引き起こす可能性を念頭においてマネジメントを行い、かつ早期発見につとめることが重要になります。

本冊子が、カイプロリスによる心血管イベントのマネジメント、さらにはより良い多発性骨髄腫治療につながれば幸いです。

飯田　真介 先生
名古屋市立大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学　教授